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レイカズン本社ビル
DATA
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「この建物は、アパレルメーカーの本社ビルです。最大の与件は、敷地に対して最大限の床面積を確保してほしいということ。また、1階は自社ブランドの洋服等を展示するショールームとして使用したい。そこで、内部のアクティビティが外に露出する、透明性のある外壁が適当だと思いました。
現在クライアントは三つのブランドを展開しており、ショールームにおけるそれらのエリア・バランスは、売り上げや季節ごとのプロモーションによって、随時、変化するそうです。だから、床をフレキシブルに使用できるように、無柱空間にした方がよいだろうと考えたのです。」 この規模であれば、無柱空間にするための構造や空間のあり方には、様々な解答が考えられるであろう。 「与件において、内部のプランニングはほぼ決定していたので、外郭で何か表現したいと思いました。また、以前から私のテーマであった、皮膜と構造の関係について思案するうちに、エキスパンド・メタルのような網状の構造で、四周を全て覆うイメージが浮かんだのです。構造家の橋本和重さんに相談すると、無垢のフラットバーの使用によって、実現可能だということでした。 当初、その「エキスパンド・スティール」の菱形は、均一のピッチで考えていました。でも、それでは、常に最新のモノを揃えているショールームの速度感や、三つのブランドのエリアバランスが常に揺り動く流動感を表現できないような気がして...。 |
そこで、不均一なピッチにし、エキスパンドスティールの密度に差をつけ、動きを持たせようと思ったのです。結果として、疎な部分は水平力、密な部分は軸力が強い面になっていきました。密な部分に梁を渡せば、構造的合理性も確保できたのです。
実は直感として、「フラットバーのメンバーは座屈で決まっているのかな?」と思っていました。でも、一見、不安定に見えるかもしれませんが、エキスパンド・スティールでできた壁は、RCと同じくらいの剛性を持つ、非常に安定した構造なのです。最終的なメンバーは、むしろ地震による曲げ変形に抗する数値から、1階が22×100㎜、2〜3階が19×100㎜になっています。」 不均一なピッチにすることにとって、制作が大変になったことは想像にかたくない。しかし、かつてのプレファブリケーションが、品質保持のために、同一部品の大量生産をせざるを得なかったのに対して、現在は、テクノロジーとマテリアルの進歩から、ヴァリエーションのある部品であっても、安全性を確保することができる。 「製作では、フラットバーをほとんど全て違う角度で曲げなければなりません。当然、すべて数値化しないと、作業ができない。今は、CADで図面を描くので、角度がすぐ分かりますけどね(笑)。 また、パネルをどう分割するかについては試行錯誤しましたが、搬入のトラックの大きさ、クレーンの最大吊上荷重から、ほぼ2m幅になっています。ファブは日本中のどこにあっても、それを現場に運ぶことができればいい。そして、パネルがパタパタと組み上がり、一つの建物になる、それはRCにはない、鉄の良さだと思うのです。」 |
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